ギョレメで3日を過ごし、私はハットゥシャという小さな村に向かった。『小さい』とはいっても、私たちが世界史で学んだ『鉄器文明の発祥の地=ヒッタイト』。遺跡は決して小さいものではない。バスでギョレメを出て、途中カイセリという美しい町を経由した。次の経由地であるヨズガット行きのバスを待つ私に、地元の学生が群がってきた。カイセリのオトガルでは、『ヨズガット!ヨズガット!』と叫ぶ声が聞こえ、私は手を振りながら『乗る!』と声をかける。 ヨズガットからバスがない。仕方なく、私にとって贅沢品であるタクシーのお世話になる。ヨズガットからハットゥシャまでは、約50kmほどの距離。1時間はかかると思っていたものの、運転手さんはトルコ版演歌である『アラベスク』をボリューム一杯流しながら、ご機嫌なスピードで信号機ひとつない山道を駆け、ものの30分あまりで到着。途中で見える折角の美しい渓谷や山なみの風景も、猛スピードで駆け抜けていってしまった…。 画像は昼下がりのボアズカレ村。 |