■ 『神島』〜映画「潮騒」を育んだ愛の島〜2011.3.29

 表題がカッコイイ。〜愛の島〜ときたもんです。
 写真を見る限りは、太平洋に浮かぶ絶海の孤島。ロケーションも素晴らしい。
 実際は、鳥羽から定期船に乗っていくと幾分孤島感は薄れる。しかし、島の山頂辺りで海を見下ろすと、やっぱり孤島である。南に目を向けると、眼一杯の視界には、ただただ太平洋の水平線が弧を描き、際限なく広がるばかりなのだ。やっぱり絶海の孤島だと思えてくる。

 私は個人的に、神島がかなりお気に入りである。しかしながら幼少の頃は鳥羽市で育ったものの、神島に初めて渡ったのはそれからかなりの時を経て、成人となってからであった。

 神島は、近隣からなら日帰りで満喫することができる。
私は伊勢市在住だが、日曜日の朝8:00頃起床し、鳥羽市佐田浜発10:40の神島行き市営定期船に乗る。神島到着後すぐに付近の旅館等で食事をとるかお弁当を持参。島を一周する遊歩道をのんびりと歩き、神島発15:45の船で佐田浜まで戻る。

 佐田浜は、近鉄鳥羽駅から徒歩5分ほど。市営定期船の所要時間は約40分。神島では港に降りてすぐに食事処があるし、民宿や旅館などでも食事のみで可能なところもある。
 
 島の外周を一回りする遊歩道は約4km。灯台、監的硝(かんてきしょう)、カルスト地形、旧校舎、古里の浜(ごりのはま)といった神島の見所を網羅している。随所で楽しめる眺望は見事で、伊良湖水道を行き交う巨大船は、海面できらめく銀白の太陽光に溶け込み、ゆっくりと流れる様である。眼下を見下ろせば打ち付ける波。カルスト地形の純白は紺碧の海に白絵の具を盛り付けたようだ…。(ややオーバー表現かもしれないな。)
 うっとり見とれていると、監的硝辺りの海岩壁で、猛禽類の高鳴く声がした。やっぱり絶海の孤島だな。
 
 私はアニメファンではないが、宮崎駿アニメの色々な場面と重なる雰囲気もどこか漂う。今度は是非、こうした絶海の孤島に暮らす漁民を描いたアニメを作っていただきたい。そう、、、心温まる正義の味方の海賊、それも実は一小島の漁民だった、なんてのはどうかな。そういえば、江戸川乱歩の小説に出てくる島は真珠島だの諸説あるようだが、どうやら立地の設定は神島、背景は真珠島らしい。
っと、余談がすぎたようだ。なお遊歩道を行くには、いずれ神島の急坂を登る場面に出くわすと思うが、必ず一度は海を振り返っていただきたい。地元の方がお勧めしてくれた『美しい風景』が待っているので。

 さて、話は20数年前の初上陸の時へと戻る。
 丁度友人が、まだほとんど普及していない頃に水上バイクを借りてきたのがきっかけだった。まだその頃は『水上バイク』なる言葉もなく、商品名の『マリンジェット』をそのまま使っていた記憶がある。今のそれと比べれば相当チープで、排気量もわずか650cc程度だった。
 
 その日はまだ台風の名残で海には大きなうねりがあった。しかし快晴。せっかくの機会なので遠乗りをしようと、神島まで遠征することになった。航行区域も気にはなったが、「平水区域だよ、ここは。」とか「母船があればいいんだろ?」などと自分たちを正当化する意見しかなく、結局決行するより他はなかった。(もちろん母船などあるはずもないのだが…。)
 
 宇治山田港を出港し、答志島、菅島あたりはまだ波もなく穏やかであったが、答志島の先端『小築海島(こづくみじま)』辺りから海面は一転。まるで潜水艦にでもなったかのように、うねりに飲まれた船体は、木の葉のように波間で乱高下を繰り返した。波のエッジを走り抜ける気分は爽快だが、ひとつ間違えば奈落の底だ。さらに悪いことには、エッジに直交しなければ神島方向ではない。
 そんなこんなで無事に神島遠征を終え、宇治山田港に戻った頃にはお猿のようにお尻が赤く腫れ上がっていた。
 無茶な天候では、待機するのも船長の大切な判断である。人様にご迷惑をかけてはいけないのである、とこの年齢にしてようやく悟ってきた。若気の至り…。時効。

 鳥羽市観光協会発行。2011年春
神島の画像はこちらをクリックしてご参照下さい。

キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG) シーサイドフローティングベスト2
キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG) シーサイドフローティングベスト2

津波対策はこれがまず一番ではないかと思ったりもします。



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